書類をまとめている時、クリップを使うことがありました。そのさりげなく使っている最中、ふいにどうしてこんな不思議な形をしたモノが生まれたのだろう。いったい誰がこんなコンパクトなのを発明したのだろう、と気になりました。
そんなクリップのミニヒストリーを探っていきます。
1.古代エジプト
食事をする際、髪が落ちてくるのを防ぐために使用されたヘアピンが元祖だとされています。
3.東ローマ帝国
真鍮性のクリップを使っていたので、この地で発明された可能性が高いです。手作業が大半だったので、とても高価だったこともあり、実際に使用するのは皇帝や一部の貴族などの位が高い人物でありました。
4.エリザベス1世
髪を染めるときに使っていました。髪が落ちてこないように気をつけていたのでしょうか。現在の、床屋さんみたいですね。
エリザベス1世の記事はこちら
deutschlandworld.hatenablog.com
5.現代型はイギリス
1890年頃、イギリスでゼム・マニュファクチュアリング・カンパニーが発明したとされています。この頃には、金属製のクリップが使われ始めていました。別名ゼム・クリップと呼ばれています。
1899年にはコネチカット州ウォーターバリ出身のウイリアム・ミドルブロックが、ピンの代わりに紙を束ねるクリップを作る機械を開発し、特許を取ったそうです。しかし、10年以上も前からゼムクリップは知られていました。
6.ノルウェーのシンボル
ノルウェー人のヨハン・バーラーが、1899年と1901年に少し構造を変えただけのクリップを開発したのですが、当時はゼムクリップの方が優れていたため、普及しませんでした。
クリップの開発にノルウェー人のバーラーが関わっていたので、第二次世界大戦中にドイツ軍に占領されると、ノルウェーの抵抗運動のシンボルとして使われました。
当時の抵抗運動に加わったノルウェー人は、イギリスへ亡命したホーコン7世に対する忠誠心と団結力を示すために、服にゼムクリップをつけたといわれています。
また、その逸話はノルウェーの百科事典にも載るくらい有名な話でした。
彫刻は、1989年に、BIノルウェー経営大学がバーラーを称えて、サンドヴィカ・キャンパスに約7メートルものペーパークリップの彫刻を建立しました。
ところが、作られた彫刻は彼の特許に基づくデザインではなく、ゼムクリップを少し変えただけのデザインだったのです。さらに、ノルウェーでバーラーの記念郵便小切手が発売された時も、描かれたのは彼のクリップではなく、ゼムクリップの方でした。