孔子。世界の思想家の中でも知名度は群を抜いているのではないでしょうか。今や、欧州でも注目を集めている人物です。孔子は、儒教や論語などが有名ですが、いざ説明するとなると難しいと思います。
孔子の生涯も見ていきながら、当時、孔子が考えていた事や思想を簡単にですが、解き明かしていきます。
1.生涯
孔子は、紀元前552年に中国の魯国(山東省)で誕生します。父親は武人で、母は低い身分の巫女だったそうです。そして、父と母の年齢差はなんと44歳も差がありました。父は60歳とされています。そんな中で、孔子が3歳の時、父を亡くして母子で暮らします。
幼い頃は、周王朝に憧れを持っていたそうですが、礼儀に関しては雑に扱われてた部分がありました。孔子は、周を復活させるという理想に燃えていました。
14歳の頃から学を志し、17歳の時に母を亡くします。翌年に結婚します。学を極め続けた孔子は、27歳で魯の役人になります。番人や家畜の世話をしていきながら、礼学を修めました。
孔子は、下級の役人でしたが徐々に出世していきました。分からないことがあれば、頭を下げて教えてもらっていました。その謙虚さから、段々と孔子の周りに人が寄ってくるようになったのです。
一時的に魯を離れていましたが再び戻り、50代で最高位の裁判官や外交官を歴任するようになります。政治改革も志しました。しかし、時の権力者の三垣氏に負け、旅に出てしまいます。
69歳に戻りますが、長官には復帰しませんでした。孔子は私塾を開き、教育に力を入れました。弟子の数は3000人にまで及んだとされています。
孔子は亡くなるまで、「書経」などの書物を編集し、儀礼も整理します。歴史書でもある「春秋」を書きました。孔子は、前479年に73歳で亡くなりました。「論語」は、孔子が亡くなった後に、顔回や子路などの弟子によって孔子の言葉や教えをまとめ、完成しました。
2.思想
孔子の思想は主に5つに分かれます。それが、「仁、義、礼、智、信」の5つです。特に重要なのが、「仁愛、礼、孝」の3つです。この思想は、儒教によって引き継がれています。この3つを簡単に紹介します。
仁愛
他人に対する親愛の情を表しています。家庭内の秩序は特定の力で保たれるものでない、互いに仁愛の心を持って接すると自然と家庭は成り立つそうです。この家庭内の秩序を国家規模に広げると、法律などの縛りから脱却できるとされています。
礼
社会的な規範を表します。孔子が生きた時代の秩序は封建社会であり、身分を明確にすることでした。孔子の礼は、この身分を明確にすることであり、上下の制を規定する模範とされました。
孝
簡単にいうと親に従うことです。儒教でも、仁の根幹を成すとされました。孔子は親に敬意を払い礼に従って供養するように説きました。親に尽くすことは、宇宙の原理とされました。