ヘロドトス。古代ギリシアの歴史家です。ペルシア戦争を記述しました。また、単なる歴史家ではありません。ヘロドトスが始めた歴史の記述から世界の歴史家への扉が開かれたのです。彼が存在しなければ、歴史が語られることはなかったでしょう。
どんな運命を辿ったのでしょう。見ていきます。
1.生涯
ヘロドトスは前480年、小アジアのハリカルナッソスに生まれます。前455年、デロス同盟の盟主として全盛期を迎えていたアテネに滞在し、小アジア、エジプト、南イタリアへと訪問しました。
彼は、アテネの繁栄の基礎となるペルシア戦争の歴史を書きました。ヘロドトスはアテネの立場のみならず、ペルシアなども含めた広い見聞と知識によって、内容が豊かなものとなりました。
「歴史」は、前5世紀にヘロドトスによって書かれたペルシア戦争を主題とした歴史書です。人類最古の歴史書といわれています。これは、記録というよりは「物語風の歴史」とされるのが特徴で、登場人物が生き生きと述べられています。これはギリシアからオリエントまで幅広く情報を伝えている歴史の宝庫です。
ヘロドトスと並んで称賛されるトゥキディデスの著した「戦史」は、前5世紀半のペロポネソス戦争を題材にしていて、「客観的な歴史記述」を特徴としています。