オモシロ世界史百科事典

世界史が好きです。

シャルル・ド・ゴール 今日のフランスを確立した功労者の名演説とは!?


シャルル・ド・ゴールは、第二次世界大戦の時に活躍したフランスの陸軍の将軍です。シャルル・ド・ゴールは、自由フランス政府を創設したことでも知られています。

イギリスやドイツなどの強大な近隣諸国がひしめく中、シャルル・ド・ゴールは、フランスを守るためにどんな行動をとったのでしょうか。それでは見ていきます。

1.経歴

シャルル・ド・ゴールは1890年にリールで生まれ、第二次世界大戦のフランス陸軍の将校になった人物です。1940年、フランスの首都、パリがドイツ軍の侵攻で陥落します。当時のフランスの政権は界隈政権といわれ、早々にドイツと休戦協定に入りました。

シャルル・ド・ゴールはこの決定に反発します。彼はイギリスに渡り、「自由フランス」としてレジスタンス活動を開始します。フランス国民に対してドイツに対する抵抗運動を呼びかける一方、海外植民地の大半を味方につけます。そして、自ら自由フランス軍を創設したのです。

イギリスの作戦に加わりながら徐々に勢力を拡大した自由フランス軍は、1944年6月のノルマンディー上陸作戦で、4年ぶりの帰国を果たします。その後も快進撃を続け、8月には三色旗を掲げてパリに突入します。シャルル・ド・ゴールは熱狂のパリ市民に迎えられます。

そして9月に暫定政権が誕生し、シャルル・ド・ゴール大統領に就任します。1947年に正式に政権が誕生すると、一旦は退きますが、戦後の中でフランスの国連常任理事国入りに貢献します

1958年に再び大統領に就任すると、冷戦中に米ソと対等な立場として第3の勢力として存在感を示していきます。

こうして現在のフランスの地位を確立したシャルル・ド・ゴールは、1969年に大統領を辞任し、翌年に亡くなります。フランスでは、彼の実績を称えてその名を用いた原子力空母や国際空港があります。

2.名言

希望の終わりは死の始まりです。

戦争というものは狩猟と同じものです。ただ戦争ではウサギも打ち返してきますがね。

258種類ものチーズの種類がある国をどうやって統治してゆこうというのですか。

惰性的であるということは打ち負かされたということです。

困難は気骨のある人を引きつけます。なぜならば、彼らは困難をしっかりと握りしめることによって自分自身を実現するからです。

3.演説

1940年「6月18日の呼びかけ」は有名です。この演説はBBCの電波で流して、ドイツの占領に抵抗し、戦いを続けるよう国民に呼びかけた内容です。

しかし、この大事な演説は放送当時は聞かれることは、ほとんどありませんでした。将校の一角に過ぎないシャルル・ド・ゴール知名度低かったからです。また、当時のフランス政府はペテン師のもとで反ユダヤを推し進めたヴィシー政権のもとにあったからです。

現在では、フランスで高く評価されています。

4.まとめ

戦争の混乱の中、なんとかフランスをまとめようとしたシャルル・ド・ゴールの生き様が浮かび上がってきました。一将校ながらも発信を続け、国を立て直そうとした姿勢に驚きました。

戦後も、戦争して終了ではなく、国際的地位を確立するべく大統領として尽力を尽くしたことは、すごいことですね。フランスでは彼の名前を残した公共物も多く、シャルル・ド・ゴール空港のみならず、凱旋門があるシャルル・ド・ゴール広場など、その名を轟かせています。